生き方

史上最強の哲学入門

哲学って聞くと難しいイメージを持つ人も多いと思います。
私も西洋哲学者の直訳本を読んだことがありますが、難解すぎて理解できませんでした。
最近では、古代哲学者の解説書や漫画が増えているのも多く見かけます。
このような背景には、それだけ大切なことを伝えているにも関わらず、直訳本では難しすぎる要因もあるからではないかと思います。

本書は、ソクラテスやアリストテレス、アダムスミスなど西洋哲学者たちの思想について、1人1人要点が簡潔に紹介されてます。
それぞれの思想を一気に学ぶことができるのが、本書の利点です。

数多くの成功哲学本を読んで感じましたが、成功における考え方も、そもそもは古来の哲学家たちの思想から派生されているものがほとんどだなって感じます。

また、世の中の論理思考や経済思想も、大抵哲学思想で成り立っているんだなと実感できます。

私が個人的に好きなのは、
・アリストテレス
・ヘーゲル
・サルトル
・エピクロス
・アウグスティヌス
でした。

アリストテレスの三段論法は、論理思考として多くのロジカルシンキング 本で目にしてきました。今までの書評でも紹介してきましたが、これらを応用した論理思考は仕事でもたくさん活かすことができます。

ヘーゲルは以前「使える弁証法」という本を、書評で書きましたが、世の中のマーケティング情報を感知する際にも役立つと思いました。

サルトルの「自由とは、何が正しいのかわからないのに『好きにしろ』と放り出されてしまった不安定な状態」との解釈は、最終的にどうなるかは自分の責任である→考えも決断も自由→ただそれ自体が不安定であるという考え方は
真髄をついているなと思います。
自由と聞くと良いイメージがありますが、改めて根本的に考え直すきっかけになります。

エピクロスの「快楽主義」は特に若者には共感できる部分ではないかなと思います。
ストイックや無欲さも大切ですが、
本来人間が人間らしくあるべきことは今を楽しむことではないかと、これがないと仕事にしろ生活にしろ張りがなくなるような気がします。

アウグスティヌスは、「人はか弱い存在なので、神の慈悲によって救われるので祈りましょう」という思想は、市民の心を動かせキリスト教を世界宗教にさせたきっかけとなりました。
これは、ビジネスや人間関係において周りを動かすカリスマ性においてヒントになると思いました。

古典書では難解でわかりずらい哲学も、この1冊でたくさんの偉人の考えを勉強できます。

哲学を学んでみたい、昔の思想を理解したい、さらに入門から始めてより深く哲学に関わりたいという方におすすめです。

以下、タメになった部分をピックアップします。
・「だから、まず自分が何も知らないと認めるところから始めよう!」
(P32)
ソクラテス

・たとえすべてがウソであろうと、それがウソではないかと「我(私)が思っている」以上、「我(私)が存在すること」は、絶対的に確実なのだ。こうして、デカルトは、ついに哲学の基盤となる「絶対に疑えない真理」を導き出したのである(P44)
デカルト

・「人間の自己中心的な欲望、すなわち『お金儲けしたい!』という利己心こそが、経済の原動力である」(P176)
アダム・スミス

・「もし、世間で言われているような万能で全知全能の神様がいるとしたら、いちいち人間なんかを気にかけるだろうか。全知全能な神様が、人間にあれをやってはいけない、あれを食べてはいけない、なんて言うだろうか。というか、そもそと人間の側から、神様はこういう存在です、とこっちから想像したりイメージを押しつけたりすることの方が、よっぽどバチあたりなんじゃないだろうか。だから、人間は神様のことなんか気にかけなくていいと思うよ」
(P222) エピロス

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