人間の真の生き方について。
人生の目的について。
日々当たり前のように生きてると、このような言葉について、深く考えることは中々少ないのではないでしょうか。
本書は、特に労働の概念をメインに人生のあるべき姿について書かれた哲学書になります。
著者は、KDDI創設、JAL再建にあたったカリスマ経営者「稲盛和夫」さんになります。
人生、山あり谷ありとよく言われるものですが、最後に必要なのは、人格になります。
これがないと真の成功を成し遂げることは出来ません。
どんなに能力が高くても、どんなに環境に恵まれても、人格が備わっていなければ、どこかで崩れてしまう可能性があります。
本書では、成功する上で必要な要素として、以下の3つがかけ算で成り立つと説明しています。
やる気×スキル×考え方
みなさんの職場にも、
・スキルは非常に高いがどこか冷めきって情熱がない人
・スキルは足りてないが、非常に熱心に頑張っている人
両極端な例ですが、少なからず似たようなケースがいるのではないかと思います。職場に限らず、学校でも当てはまるでしょう。
ここで1番重要なのは、考え方の部分です。
この考え方が、マイナス(たとえば、不正を良しとする。自分の得だけ考えるなど)の方向に走ってしまうと、せっかくやる気やスキルがあってもすべてマイナスになってしまいます。
この考え方の部分を正しい方向へ持っていくことが大変重要になります。
本書では、これら良い人格を得るために、心の高め方や利他の心で生きることなどについて教えています。
そのような生き方の書において私が感銘したところは、
目の前の事に必死懸命に生きるということです。
一生懸命仕事に打ち込んでるのに結果が出ない時に、この言葉は勇気づけられました。
ガリ勉であること、一生懸命働くことはとても素晴らしいことです。
こうした頑張りは絶対に無駄になりません。
ただし、周りからは誤解され、時には面白くないことを言われる時もあるでしょう。
(私もそうでした)
でも、こうした勤勉の習慣をつけていくと、知らぬうち非常に強固な精神とスキルをつけていくことになります。
継続は力なりです。
いくら才能があったとしても、
気持ちで負けて安易な方へ走ってばかりでは、怠惰な人生へ進んでいく一方です。
現在、国は働き方改革など労働時間の是正へ動いていますが、労働自体は心を磨き、人格を練るという精神の成長において、大変重要なことであると実感します。
辛い時や今苦しんでいると感じる時、本書を読むと人生を見つめ直す良い機会になります。
働くことが嫌だ憂鬱と考えているなら、考え方を改めることができるでしょう。
以下、タメになった部分をピックアップします。
・労苦とは、おのれの人間性を鍛えるための絶好のチャンスなのです(P16)
・実現の射程内に呼び寄せられるのは自分の心が求めたものだけであり、まず思わなければ。かなうはずのこともかなわない(P39)
・不可能を可能に変えるには、まず「狂」がつくほど強く思い、実現を信じて前向きに努力を重ねていくこと(P43)
・何事に対してもど真剣に向き合い、ぶつかっていくーこれは、「自らを追い込む」ということでもあります(P99)
・趣味や遊びの楽しさとは、仕事の充実があってこそ味わえるもので、仕事をおろそかにして、趣味や遊びの世界に喜びを見いだしたとしても、一時的には楽しいかもしれませんが、けっして心からわき上がるような喜びを味わうことはできないはずです(P158)
・善行をしても、その報いが現れないのは、草むらの中の瓜のようなものである。それは人の目には見えなくても、おのずと立派に成長しているものです(P218)