「仕事ができる人は、人より答えを出すのが早い人である」(引用)
あなたは、仕事を早く進める方ですか?
それとも、仕事が滞ることが多いですか?
本書は、仮説を使って物事を迅速かつ正確に整理し、問題解決に向けて仕事を進めていく方法について紹介しています。
仮説とは物事を答えから考えることです。
たくさんの仕事をスピード感持って進めていくには、考える要因やデータをいちから集めてばかりでは時間が経過する一方です。
意思決定スピードを上げていくには、先に仮説を立てて進めていく方が合理的であると説明しています。
また、仮に途中段階において仮説が間違っていても、その間違いは全体構成で見てみると大きなズレではなく、間違いに気づいた段階で新たに仮説を立てれば、軌道修正はイチから立てる時より容易にできるということです。
仮説を用いて仕事を進めていくメリットは、全体像が網羅しやすく、目的を把握しやすいことにあります。
仮説を立てるまでの流れは、以下になります。
○問題を立ててみる
↓
○問題を絞り込む
↓
○具体的打ち手の仮説を立てる
↓
○具体的打ち手を絞り込む
また、仮説を立てるための頭の使い方として、
・反対側から見る
顧客視点、現場視点、競争相手の視点など
・両極端に振って考える
「高価」でなく「安価」だとどうなるか、
「少量」でなく「大量」の場合どうなるかなど
・ゼロベースで考える
既存の枠組みを考えず、白紙の状態で考える
これらの視点で仮説を考えていくと、問題解決のヒントが浮かびやすくなります。
著者は新人コンサルタント時代、問題解決の全体像が導き出せず、この仮説思考法によって、スピードと正確性が上がり成果を出していったそうです。
最後の5章では、
仮説思考力を日常で使うときのやり方について紹介しています。
私の意見として、はじめは無理やりでもいいから仮説を立てる癖をつけていくと、仮説思考の習慣が身につくので、とにかく実践してみることがオススメです。
仕事のスピードと質を上げたい方、仕事経験が浅く進め方や判断に迷う方などは、本書は勉強になります。
以下、ためになった部分をピックアップします。
・実は仕事ができる人は、人より答えを出すのが早いのである(P15)
・ビジネスパーソンは日々、問題解決を迫られている。そのとき、あらゆるケースをすべて調べまくってから答えを出すのは時間的にも資源的にも無理だ。仮説思考は、すべてのビジネスパーソンにとって重要なスキルといえる(P24)
・いきなり仕事を始めたり、各論から手をつけたりするのは、地図なしに太平洋を泳ぎ始めるようなものだ(P75)
・自分ひとりで悶々と考えていると時間の無駄なので、早めに他人に考えをぶつけたほうがよい。場合にやっては少しくらい乱暴な仮説をぶつけて、相手がおもしろいといってくれるか、あるいは怒られるか、相手に判断してもらう方法もある(P167)