生き方

嫌われる勇気

「どうすれば人は幸せに生きることができるか」(引用)

本書は、哲学者「アルフレッド・アドラー」の思想が物語形式で書かれ、幸せについて考えていく内容になります。

古代哲学書は、難解なものが多く最後まで読み切るのが難しいので、本書のような分かりやすく書かれたものは、哲学を理解する上で大変参考になります。

本書の内容を簡単に要約すると、他人依存ではなく自己責任論で考えていくこと、そして勇気を持って行動することが幸せになる原点であるということです。
幸せになるための考え方について、参考になったポイントを説明します。

課題の分離
たとえば、部下の営業成績を上げるという課題があった時、「これは誰の課題なのか?」という観点から進めていきます。
ここで大切なのが、自分の課題と他者の課題とを分離することです。さらに、他者の課題は絶対介入しないこと。
例をあげると、営業に行って来い、休みの日も働けというようなことはせず、自分の課題(部下のモチベーションの上げ方、自分の経験談を提供するなど)を進めていくことが幸せな考えを持つ上でのポイントになります。

自己受容
ありのままの自分を受け入れること。
大切なのは与えられた環境やものに対して自分がどう使っていくかということです。
そして、自分が出来ないものは、出来ないと認めて、出来るためにはどうすれば良いか前に進むことが大切であると説明しています。
自分が変えれるものに注目していき、行動していく必要があります。

他者信頼
無条件で信頼を寄せること。
信頼を怖れていたら、最終的に深い関係を築けず、浅い人間関係で止まってしまうことになります。
日常でも、深入りせず相手のこともそこまで理解できずといった関係が少なからずあると思います。
それは、他者を仲間だとみなしていないことが原因であります。
さらに、他者を敵とみなしてしまうと、自分自身の自己受容も不十分となってしまいますので、ここの意識改革が大事になります。

他者貢献
「わたしは誰かの役に立っている」と思えたときだけ、自らの価値を実感することができる(引用)
他者貢献は、誰かのためにするものではなく、自分の価値を実感するためにするものです。
そのためには、他者が自分に対してどう思ってくれるかでなく、自分がどう思うかが大切だということです。

幸せや対人関係について悩んでいる方は本書を読むと考えが変わると思います。

以下、タメになった部分をピックアップします。
・人は誰しも、客観的な世界に住んでいるのではなく、自らが意味づけをほどこした主観的な世界に住んでいます(P5)

・「大切なのはなにが与えられているかではなく、与えられたものをどう使うかである」(P44)

・対人関係の軸に「競争」があると、人は対人関係の悩みから逃れられず、不幸から逃れることができません(P95)

・相手が自分のことをどう思おうと、好いてくれようと嫌っていようと、それは相手の課題があって、自分の課題ではない(P147)

・自己受容とは、仮にできないのだとしたら、その「できない自分」をありのままに受け入れ、できるようになるべく、前に進んでいくことです(P227)

・「みんな自分を嫌っている」とか「いつも自分だけが損をする」とか「すべて間違っている」というように。もし、あなたがこれら一般化の言葉を口癖としているようなら、注意が必要です(P245)

 

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