あなたは、どのような気持ちで仕事に臨んでいますか。
お客様のために、この企画を成功させるために、上司の期待に答えるために、部下に慕われるために、あるいはより多く給料を稼ぐためになど、何かしら目的を持って仕事をされている方が多いと思います。
しかし、その目的を遂行させても順調に進むとは限らず、突発的に時間を取られたり、予期せぬ事態で思うようにいかないことが多々あるでしょう。
気づけば、目的とは程遠く、目先のことでいっぱいいっぱい… というようなことも、仕事をしているとあるでしょう。
本書では、仕事における整理術をマスターすると、仕事の精度が上がることに加え、スキルアップや目標達成にも大いに役立つと説明しています。
そして、何より頭の中を整理することによって、よりいっそうクリアになり、気持ち的に余裕が生まれることが大きな効用であると伝えています。
仕事上で整理術を身につけるためのプロセスは以下の3段階になります。
①状況把握
お客様や関係組織から現状の情報を得る
②視点導入
①の情報に、ある視点を持ち込んで、本質を突きつめる
③問題設定
クリアすべき課題を設定する
どんな、場面でもこの3つを取り入れていけば、「良い仕事=整理術+問題解決」に繋がります。
イメージは、本書のP62に図が載っているので、一連の流れを押さえることができます。
そして、
整理術には、3種類あると説明しています。
1.空間の整理術
2.情報の整理術
3.思考の整理術
空間や情報は整理として、ある程度把握しやすいと思います。
1番勉強になるのが、思考の整理術です。
これは、物事や状況を自分の中で整理できて、相手にうまく伝えることを表します。
同じことを伝えても、
「Aさんの話は全然理解できなかったけど、Bさんの話はよくわかった」ということはよくあることだと思います。
これは、思考の整理がしっかり出来ているかどうかで生じるものです。
思考をうまく整理する上で、本書では、
・漠然とした状態の心理や、心の奥深くにある考えを掘り起こし、しっかり言語化するトレーニングを行う
・そのために、相手の言うことをまとめる作業からやってみる。(キーワードだけ羅列するでも良い)
・キーとなるポイントを見つける。類似する要素など見つける。
・自分なりに仮説を立てて、相手に話してみる
これらを実践していくことで、
自分の思考回路が整理され、問題解決を行うことが出来ると説明しています。
また、思考の整理術をマスターするとコミュニケーション力向上にもつながり、トータル的にビジネススキルが上がっていくと考えられます。
私の経験として、整理術を学ぶことは、仕事で新しい業務をする場合にいち早く内容を把握するときに活かせるので必要なことと感じてます。
良い仕事をしたければ、整理術が欠かせないと思います。
思考の整理術を身につけたい方、さらに仕事でスキルアップしていきたい方に、オススメです。
以下、参考になった部分をピックアップします。
・問題の本質を突き止めることは、”何がいちばん大切なのか〟を見つける、つまりプライオリティをつけることなのです(P55)
・一度手に入れたモノは、もったいないという思いも渦巻いて、なかなか捨てられなくなってしまう。こうして、捨てるというハードルはどんどん高くなってしまうのです(P81)
・自分自身の”無意識化の意識化〟はハードではありますが、何度も仮説を立てて自分にぶつけてみてください。「相手のなかに必ず答えはある」と述べましたが、同様に「自分のなかにも必ず答えはある」のです(P170)
・「いい企画書ができない」「アイデアが思い浮かばない」「効果的なプレゼンテーションをするのが難しい」。こうした場合に、ないものねだりをするのではなく、まずは現時点で材料としてあるものをうまく並べ替えてみることです(P219)