「可変思考」
この言葉は本書で初めて聞きました。
可変とは自由。そして、次元を変えること。
数学の「独立変数」の考え方から基づいた発想のようです。
物事に行き詰まった場合、やり方(変数)を追加して解決案を考えていくなど、一元的な物の見方でなく、二次元・三次元へと物の見方を上げていくことを指します。
たとえば、例をあげると、
ショッピングセンターは物を購入することが目的(欲しいものがあるかないか)ですが、それだけに留まらずショッピングセンターで料理のイベントを開催しお客様のコミュニティの場を提供したら、買い物だけでなく別の次元で集まるきっかけとなるなど、ひとつだけの次元に固執せず考えていく思考が必要です。
また、そのような時こそ、可変思考では、人間がもつ特徴である「フリー状態(考えてないリラックスしている状態)」が大切であると伝えています。
「フリーな状態」の時こそ、可変思考が活かされるということです。
私が本書で参考になったところ2点について紹介します。
ひとつめが、反省という行為はすべきないという点です。
反省は、取り返しがつかないことにいつまでも悩み続けていることであり、未来の得にはなりません。
自分が信じた行動の結果であれば、間違っていても威厳がある必要があります。
ふたつめは、コンピューターと比較した場合、人間の良いところは忘れるという能力があるという点です。
人間から忘れるという能力を取ってしまうと、新しいことに集中できず、良いアイディアなどが出ないと著者は説明してます。
そこには、勇気を出して決断することなども含まれます。
本書を通じて、
やり方がワンパターンな思考だと、すぐに退化してしまうので、新陳代謝をしていく必要があると感じました。
慣れるのには多少難しいと思いますが、一元的思考に留めず、視座を上げて二次元、三次元へと考え方を上げていくとビジネスの質が変わっていくでしょう。
発想転換や仕事でのブレイクスルー、スランプ脱出時などに本書は参考になると思います。
以下、ためになった部分をピックアップします。
・一つのプロジェクトが経営的に行き詰まったとしよう。いろいろ無駄を省いて合理化を図ってもなお行き詰まりが打開できないときは、たとえば一部をほかの関連分野に切り替えるとか、国際問題解消の切り札に使うとか、まったく別の視点を投入することによって、一挙に解決に向かうことがある、というわけだ(P28)
・何かをやろうとするとき、重大な決定というのは予想がむずかしいときだし、かならず「これはやってもだめだ」とか「やらないほうが無難だ」という反対の意見が出る。それでもなお、「賭けてみよう」というとき、これは一つの勇気ある決断だし、そこから運というものが出てくる(P114)
・記憶を能率的に行うためには、まず原点が必要で、それからさらに能率を上げるためには、要所要所に、付属原点をつくるといい(P147)