経営戦略・ビジネス

戦略思考コンプリートブック

あなたは、今働いている会社にどんな付加価値が提供できると思いますか?

本書は、付加価値をつけて質の高い戦略思考を養っていくための頭の鍛え方について紹介しています。

ただ会社からの指示をこなしていくサラリーマンでは、この先給料も上がらず、面白い仕事も回ってこない、転職も難しいと提唱しています。
どうせ1日のうちの大半を仕事の時間に費やしているなら、ワクワクした面白い仕事をするに越したことはありません。

本書は、以下の構成で戦略思考の考え方について説明しています。
第1章  オリエンテーション:戦略思考のアプローチを知ろう
第2章  基礎トレーニング1:左脳でイシューツリーを作る
第3章  基礎トレーニング2:右脳で仮説の手がかりをつかむ
第4章  実戦テクニック1:論点を分解し初期仮説を作る
第5章  実戦テクニック2:仮説を実際に検証してみる

私が勉強になった実践スキルを紹介します。

論点の分解
仕事で課題が残った場合はこの方法で次回に活かすようにしています。
たとえば、WEBでのアクセス数減少という事実があった場合、なぜそうなったのかの分析をしていきます。
この分析をする際に、課題となる論点を分解していきます。
・コンテンツがマイナーだからか
・コンテンツ内容が人気分野であるため競合が多いためか
・求めるターゲットが曖昧だからか
・記事内容に魅力がないからか
・SEOが弱いのか
など、
仕事でもブログ記事でも課題がある場合は、このように論点を細かく分解して分析していくと何がボトルネックとなっているか見やすくなります。

イシューツリー
本書では、戦略思考を高めるためにイシューツリーを使って考えていくことをオススメしています。
イシューツリーとは、先に上げた論点を分解し最終的に答えを出すための手法のことを言います。
ここで大切なのは、せっかく時間をかけて作ったイシューツリーでも、しっくりしていないと思ったらゼロクリアにして、再度作り直していくということです。
こうすることによって、思考能力はより高まり、質の高いイシューツリーを作り上げることが出来ます。

仮説の洗い出し
「イシューツリー」が左脳での作業に対し、「仮説の洗い出し」は右脳での作業になります。
顧客や経営者になったつもりで、創造力を働かせてアイディアを出していきます。
たとえば、シニア層に売れる飲み物を開発したい場合、シニア層はどんな嗜好があるか、そしてどんな時に必要とするか、誰と飲むことが多いかなど、相手の視点に立って広く捉えていくが必要です。

最後は、イシューツリーと仮説を突き合わせて、何度も漏れやダブり、論理の妥当性があるか見直しをかけていき、質を高めていきます。

以上、これらを自分で使ってみることで、戦略思考が鍛えられ仕事の質も格段と高まっていきます。

そして、本書では論理分解と仮説検証する際の具体的な活用ツールもたくさん紹介されているので、これらのツールを覚えるだけでもかなり役立つと思います。

戦略思考を一からつけていきたい方にオススメです。

以下、ためになった部分をピックアップします。
・仮説は間違っていても構わない。本当かどうか確かめて、間違っていたら直せばいいのだ。まずは最初の仮説(=初期仮説)を置こう。(P38)

・できる人ほど素直に人の話を聞き、自分の考えが現実に合わないとわかると柔軟に変えていく。(P98)

・プロのコンサルタントは、「ああでもない」「こうでもない」と、1日に何十枚もグラフを描くことも多い。とにかく手を動かすのが、課題解決への近道だ。(P213)

-経営戦略・ビジネス