あなたは、許せない人がいますか?
または、相手に許せないようなことをしたことがありますか?
本書は、心のやすらぎについて書かれた自己啓発書になります。
自分の内側に目を向け、みずからの考え方を変えて、心の中の怖れを消していくことについて書かれています。
著者は、国際的に有名な精神医学者であり、「生き方を変えるヒーリングセンター」を世界30カ国で設立し、講演活動もされているジェラルド・G・ジャンポルスキーさんになります。
世の中には、仕事・家庭・お金など自分の望みがすべて叶ったとしても、心が空っぽでいつも満たされない人がいます。これを本書では「スピリチュアル欠乏症」と呼んでいますが、うわべだけの成功ではなく、心の内側を満たす必要があると提唱しています。
そのために、必要なこととして、まずは「ゆるし」です。
本書で言うゆるしとは、「自分を痛めつけることはしない」、「苦しまないという決意をすること」です。
過去に怖れていた気持ちを忘れること、他人が自分にしたこと、自分が他人にしたことを水に流す必要があるのです。
不平な気持ちでいっぱいになると、これから新しいチャンスをつぶしてしまいかねません。
ゆるさないことは、ずっと過去にしがみついたままであり、自分の成長をストップさせてしまいます。
過去の罪悪感にいつまでも捉われずに、他人・自分をゆるして、未来に向かって進んで頂きたいですね。
もうひとつが、「人に与える」ということです。
人はどうしても何かを得ることばかり考えがちです。
でも、他人から何かを得るべきという考えはすべきではないのです。なぜならば、得られなければ相手を憎むという結果になるからです。
そうなると、自分に苦悩を感じ、苦悩は、失望や怒り、病気などの形で表れます。
どんなときでも、見返りを求めず与えることに専念して、相手から何かを手に入れようという考えを捨てたときこそ、心のやすらぎが訪れます。
このように今の凝り固まった考え方を変えていけば、自分の目に映る「結果」も変わります。
今実在している自分は、今この瞬間しか体験できません。
読んでて多少難しい部分もありますが、生きていく上での大切な原則が書かれておりますので、非常におすすめです。
以下、ためになった部分をピックアップします。
私たちは目標を一つにしぼることをせず、あれもこれもと目標にしがちです。しかし、そんなことをしても、焦点はぼやけ、葛藤が大きくなるだけです。心にただ一つの目標を抱き続けるためには、「気がついたら海でおぼれていた、という状況になったとき、目指すべきただ一つのものは何か」と自分に問いかけてみることです(P32)
怖れと愛を同時に経験することはできません。どちらの感情を望むのかは、つねに私たちが選ぶのです。怖れではなく愛を選びつづけることで、人との関わりの性質や本質を変えることができるのです(P43)
無条件の愛を経験するには、「評価したがる自分」を捨て去ることが必要です。そして自分自身とほかの人たちに向けられた、「私はありのままのあなたを、無条件に愛し、受け入れます」という力強い内なる声に耳を傾けるのです(P115)
罪の意識を生み出す、つらい過去の経験に私たちを縛りつけているのは、過去や未来をコントロールし、予測したいという、自分自身の強い思いです。私たちの心がつくり出す罪の意識と怖れは互いに結びついて、過去はそのまま未来へ続いていくのだと、私たちに信じさせようします(P133)