仕事に専念すればするほど、猪突猛進のあまりに視野が狭くなることはありませんか。
その結果、間違った方向に進んでいることに気づかず、たくさんの時間や労力を費やしたのに効果が出てない、なんてことがしばしばあると思います。本書は、そうした課題を解消するため仕事における幅広い視点で、戦略的に考えるための考え方やノウハウについて説明しています。
一問ごとに例題形式で書かれておりますので、場面ごとにイメージしやすいです。
考え方について、
本書では「立ち止まって考える」と「走りながら考える」と表現しています。
「立ち止まって考える」ことを「戦術的」、
「走りながら考える」ことを「戦略的」と説明しています。
日本人が苦手としている「戦略的」な思考を高めるための内容について紹介しています。
本書で、特に参考になった例題及び思考法について、紹介します。
例題
「親友の家に行く予定です。彼は自然が多い田舎暮らしをしています。彼の家の周りには自動車が通れるような舗装された道はありません。しかし予期せぬことが起こりました。彼の家に行くために渡らなければならない橋が壊れていたのです。
ただし、その壊れた橋にもかかわらず、わたしは川を渡ることができました。なぜでしょうか?
川には舟はありませんので船で渡ったわけではありません。」(引用、中略あり)
この例題であなたならどう回答しますか?
ここで1つ重要な視点があります。
それは、
「正確な情報」を入手することです。
すでにお気づきの方がいるかもしれませんが、例題には川幅や川の深さについては記述されていません。
川と聞くと、壮大な川をイメージされることもありますが、一方で浅く石ころがたくさんあり渡り歩ける川もあります。
大事なのは、出ている情報だけを鵜呑みにし先入観を持つのでなく、その情報の真偽や具体的事実を確認していく必要があります。
例題
「あなたは日ごろの仕事の中で、付加価値を意識していますか?それぞれの仕事の中で、あなたが新しい価値を加えていますか?」
この問いにすぐに答えられますか。
付加価値とは、あなたの知恵を使い、工夫・改善をすることを言います。
逆に言うと、あなたがいてもいなくても同じ結果が出るものは付加価値を出してないと言い切れるでしょう。
小さいことでも構いませんので、日々の仕事でどんな付加価値を出しているか、あるいは出していきたいか考えていく必要があるでしょう。
刊行は少し古いですが、思考法は現在も参考になる部分が多く、
考えの視野が狭いと感じている、色んな考えを求められる、早いスピードで妥当な判断が求められるなど戦略的な思考を必要としている方にオススメです。
以下、ためになった部分をピックアップします。