会話力を高めるためにはどうしたら良いでしょうか。
・話題が豊富
・話し好き
・語彙力が多く表現が豊か
このようなイメージを持っている方が多いのではないでしょうか。
しかし、こうした表面的な部分だけを鍛えても決して話し上手にはなれません。
話し上手になるためには、話す力と同じくらい、「聴く力」が求められます。
「話し上手は聴き上手」と言われるように、相手の意図や感じていることをしっかり把握しない限り真の会話は成り立ちません。
そのため本書では、話し上手になるために、「相手へイメージしやすいようなわかりやすい話し方」と「相手の話しをしっかり理解するための聴く力」が必要であることを説明しています。
本書は、会話を上達させ話し上手になるために、以下4つの力について紹介しています。
①論理力
・テーマを1つに絞り結論→説明の順で話すクセをつけること
・5W1Hを意識して話すこと
・新聞記事で筋道の立て方を学ぶこと など
②表現力
・「起承転結」ではなく、「結起承転結」を意識して話すこと
・短いセンテンスで聴き手が聴きやすいように努めること
・「事実」「意見」「感想」を区別し、聴き手が整理しやすいように話すこと など
③理解力
・イメージすることを意識して聴くように徹すること
・話し手が何を言いたいのか意識して質問を考えながら聴くこと
・「事実」「意見」「感想」の区別を意識しながら聴くこと など
④対応力
・適切なあいづちで話し手をスムーズに話せるよう誘導していくこと
・話の流れを妨げずら、まずは受け入れる姿勢を持つこと
・会議や話し合いの際は、想定問答を用意しておくこと など
以上、4つの力において、具体的に話し上手になるための実践方法が紹介されているので、大変参考になります。
気づけば話し上手になっていたなんてことはありません。
合理的な方法を学んで日々の中で意識して取り組んでいくことが、話すスキルを上げる鍵となります。
私も話す力を鍛えるために、
・話し上手だと感じる有名人の番組などを参考に、本書で書かれている部分をどう活用されているか意識して聴く
・自分がプレゼンをしたときは録音をして、後からどこが良かったか悪かったか、振り返りを行なう
などをして話すスキルを高めるようにしています。
話す機会の多い営業職や企画職の方、話しベタから話し上手になりたい方など本書を読んで話すスキルを高めていくと良いと思います。
以下、ためになった部分をピックアップします。
・映画でも小説でも、作者は自分の意図を題名に込めるのです。題名を見て映画を見に行くでしょうし、本を買うでしょう。タイトルにはいくつも要素を盛り込むことはできません。要素は1つです。つまり「何を」は1つなのです(P47)
・話は、話し手の言いたいことが聴き手に伝わってはじめて意味があるのです。(どう伝えようか」を考えると同時に「どう伝わるか」を考えてください(P86)
・「事実」と「意見・感想」を話のなかで区分けしておくと、聴き手の理解がより深まることを認識しておいてください(P125)
・イメージすることを強く意識して聴くようにすると、話がより理解できるようになるはずです。日常のおしゃべりでも、人の話を意識してイメージしながら聴くのです(P141)
・何の準備もせずに話し合いに参加すると、論点が見えにくく、話の方向をどちらに進めたらいいかがわからなくなることがあります。
会議や話し合いには必ずテーマがあります。そのテーマについて事前に時間の許す限り調べておく必要があります(P211)