プレゼンテーションとは、
◯オーディエンス(聞き手)がいることを前提に、
○オーディエンスに知らせたいこと、
○オーディエンスが知りたいことを、
○わかりやすい形で提供すること 」
(引用)
プレゼンテーション(以下、プレゼン)の機会は仕事の中でたくさんあります。
・ビジネスの提案
・会社説明、事業説明
・個人の業績発表
・担当の改善発表
・採用面接、異動面接
など、必要な場面でしっかりとプレゼンを実施し評価を得ていく必要があります。
本書は、プレゼンをテーマに、論理的にわかりやすく説明する技術や手法について紹介しています。
以前紹介した「ロジカルシンキング」のさらにストーリーに沿った流れが説明されてますので、「ロジカルシンキング」で基礎を固め、さらにスキルをつけたい方には、うってつけの本です。
論理力(ロジカルシンキング)とは、大きく2つに分けられます。
1つは、ある主張とその主張を支える根拠との関係をとらえる力。
これは、よく言われるピラミッドストラクチャーやロジックツリーのことを表します。
2つめは、ある主張とある主張の間の関係をとらえる力です。
こちらは、1つめの主張と2つめの主張の関係性などを整理することを表します。
論理的なプレゼンを実施するために、必要なコンテンツの流れは以下のようになります。
①キーメッセージの明確化
②論理構築
③根拠の証明
④ストーリーの設計
⑤ビジュアルの作成
「①キーメッセージ」
大きく4つに分けられます。
・事実メッセージ
単に事実を伝えるプレゼン
・評価メッセージ
事柄に対して自身の評価を入れるプレゼン
・政策メッセージ
何かアドバイスを入れるプレゼン
(こうしなければならない、こうすればメリットが得られるなど)
・希望メッセージ
依頼や希望を伝えるプレゼン
※個人的には、評価と希望メッセージのプレゼンが多いです。
「②論理構築」
私は、この章が1番勉強になりました。
論理的思考の定番である帰納法や演繹法に加えて、演繹法の一部である条件論理や背理法など多種多様な論理法を紹介しています。
中でも勉強になるのが「因果関係による推測」です。
これは、結論(論証)を考える際に、その結論になるべく要素を分解していくことを表します。
たとえば、クリック率が上がるという主張をしたい場合、クリック率を上げるにはどのような要素によって決まるか考えます。
SEOやキャッチコピー、魅力的なコンテンツなど必要な要素を分解し考えていくことです。
営業や企画におけるプレゼンはこの手法が多いと思います。
「③根拠の証明」
ここでは、ストーリーを作る前に根拠としてデータ収集について説明しています。
「④ストーリーの設計」
資料作成において具体的なストーリー設計について説明しています。
わかりやすい流れや漏れ・抜けがないような構成について紹介しています。
「⑤ビジュアルの作成」
コンテンツのラストは、ビジュアルにこだわることを紹介しています。
本書を学べば、プレゼン力と論理的思考力が上達し、上司やお客様ウケが上がるでしょう。
内容が豊富なため忘れてしまうこともあるので、私は何度も繰り返し読んで、プレゼン・思考スキルをつけるようにしています。
以下、ためになった部分をピックアップします。
・演繹法、帰納法いずれのアプローチにおいても、「論理的」な状態においては以下の3つの条件が満たされていることになる。
条件1:結論となるキーメッセージがある。その結論が複数の根拠によって支えられ、ピラミッド構造となる
条件2:結論を支える根拠にはモレやダブりがない
条件3:ピラミッドの最下層部が「事実」である(P40)
・相手が判断基準として何を重視しているのか理解し、その判断基準に訴求するメッセージを選択しないと説得力は生まれない(P71)