プレゼンテーション

「わかりやすい説明」の技術

あなたは、人にわかりやすい説明が出来ていると思いますか?

「〝わかりやすい説明〟とは、〝脳内関所を通過しやすい説明〟のことです」(引用)

脳の記憶には、「短期記憶」と「長期記憶」の2つがあります。
「短期記憶」とは、電話番号やお店の名前などメモしないでも一時的に覚えていられる記憶のことを指します。
この情報を一時的に留める場所を本書では「脳内関所」と呼んでおります。
「長期記憶」とは、「短期記憶」の情報(脳内関所)が意味別に仕分けされる棚のことを表します。
「脳内関所」が円滑に仕分けでき、長期記憶の棚に格納されることが、分かりやすい説明であると、紹介しています。

本書は、一見当たり前だが、実際には出来ていない分かりやすい説明の方法について、以下15のルールとして紹介しています。
説明術① 聞き手とのタイムラグを知れ
説明術② 要点を先に言え
説明術③ しみ入るように話せ
説明術④ 抽象的説明と具体的説明のバランスを取れ
説明術⑤ 説明もれを防げ
説明術⑥ 情報構造を浮かび上がらせろ
説明術⑦ キーワードを使え
説明術⑧ 論理的に話せ
説明術⑨ 比喩を使え
説明術⑩ 聞き手の注意を操作せよ
説明術⑪ 引率せよ
説明術⑫ 「繰り返しの劣化」に注意せよ
説明術⑬ 持ち時間を守れ
説明術⑭ 聞き手に合わせた説明をせよ
説明術⑮ 聞き手を逃すな

私もプレゼンをする機会が多いので、説明することについては自信を持っていますが、上記内容を振り返ってみると案外抜けていた部分がありました。
これら確実に定着させるために、15のポイントについて声に出して繰り返し反復することをおすすめしています。

そんなことしただけでは、大した効果なんて出ないと思っている方がいると思います。
それが意外。
プレゼン前の数日間この声に出して定着させる行いを実施したことにより、いざプレゼンの説明中、「概要を先に説明」「対比、同列を明示」「非論理の部分は強調しない」など頭の中で自然と出てくるので不思議です。

会議で自分の思いをうまく伝えられない、恋人に自分の気持ちが伝わらない、部下に意図が伝わらず動いてくれない、お客様に誤解を招かれる、など説明下手であるとさまざまな場面で損をすることがあると思います。

本書はすぐに実践できる基礎的な内容から応用編まで具体例を交えながらわかりやすく紹介しています。

仕事だけに限らず、わかりやすく説明できることは普段の会話でも相手から好印象を持たれ得をします。
説明上手になって、周りへの印象を変えてみてはいかがでしょうか。

以下、ためになった部分をピックアップします。
情報構造を単純化する方法
①重複、ムダを削除する。
②「大項目、小項目」関係を明示する。
③「対等、並列、対比関係」を明示する。
④ポイント(要旨)を明示する。
(P81)

比喩下手な人は、自分がする説明を、その核心が明確になるほど分析、整理できていない人なのです。自分の説明の核心を掴んでいるなら、同じ核心を持つ有名な話、歴史上の話、ことわざを思いつくことができるはずです。そのためには、日々体験することに対し、一つ一つその本質を考え、噛み砕き、自分の脳内整理棚にキチンと格納しておくことです(P114)

「要約力をみがく方法」は、物事の本質をよく理解するように努めること(P141)

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