問題解決・ロジカルシンキング

論点思考

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本書は、以前書いた「仮説思考」の著者になります。

「仮説思考」は、
すでに問題提起がされた上で効率的なプロセスを経ていくか。
それに対して、「論点思考」は、
そもそも問題自体が正しく設定しているか問うものになります。
問題が間違ったものであると、いくら正しい答えを導こうとも、ゴールにたどりつくは出来ないままです。
そのため、問題自体が正しく設定できているかを考えていくのが本書の内容になります。

論点思考のステップは大きく以下4つになります。

①論点候補を拾いだす
②論点を絞り込む
③論点を確定する
④全体像で確認する
①論点候補を拾い出す
論点候補を出す上で大切なのが、「現象」と「論点」の見極めになります。
よく仕事をしていると「残業が多い」「人が定着しない」「赤字だ」「ミスが多い」などの言葉を耳にしますが、これらは単に「現象」に過ぎません。
この「現象」に対して何が問題となるのか深く捉える必要があります。
たとえば、「残業が多い」という現象であれば
・休む時間が減ることで健康を阻害する
・残業代がかさみコストが増える
・残業ありきの雰囲気となり、職場全体が活性化されない
・1人あたりの仕事量が多く、1つ1つの業務の生産性が低い
など、かならず現象に対する論点把握が重要になります。
②論点を絞り込む
候補が出ましたら、次はその候補の中から絞り込みを行います。
絞り込みの方法は、
「当たり」をつけるという経験則に基づくものと、
「筋の善し悪し」を見極めるという主に解決できるできないにこだわった視点で絞り込みについて説明しています。
③論点を確定する
最終的に論点を確定します。
ここでは、クライアントへのヒアリングをメインとしています。
コンサルタントだとこうなりますが、社内の施策を進めていく場合だと関係部署、担当内での施策は上司や部下へのヒアリングになると思います。
対クライアント目線で書かれていますが、やり方はどんな仕事にもあてはまります。
④全体像で確認する
経営陣はAという論点を持ってても、中間管理職や担当者によっては持っている論点が違うということは多々あります。
そのため、仕事の全体像をきちんと把握した上でそれぞれが持っている論点はどの部分になるのか、大きい論点かまたは小さな論点か把握し解決するべきことは何か考える必要があります。
以上が論点設定していく流れとなります。
業務経験が浅い時は、未知なものが多く頭がゴチャゴチャになってしまうことが多いものです。
また、仕事に対して成功体験が少ないと、何をすればベストか分からず非効率な時間を費やすことが多いと思います。
そんなときこそ、論点を抑えるか抑えないかは非常に大きいのではないかと思います。

そして、論点思考を上手に操るためには、経験が大きく影響します。
要は、頭で覚えるだけではダメで、こればかりは実業務で意識し経験値を上げていかないと培うことは難しいようです。
机上論とはちがい、ありとあらゆるビジネスの場面で良い問題を設定できるようになるには、それなりの失敗を経験し、試行錯誤しながら見つけていくのが1番の近道ですね。
ただし、そのような考えを若いうちから意識してやっていくと、数年後に大きな開きとなっていくでしょう。

論点思考をもって仕事をしていくことは今後必要といえます。

論点を持って問題解決力を上げたい方はもちろん、仕事で頭の整理がつかない方、ロジカルに仕事を組み立てたい方なども、本書は勉強になりますので、ぜひ読んでみることをオススメします。

以下、タメになった部分をピックアップします。
・問題解決力というと、すでにある問題をいかに解決するかばかりが注目される。でも実際には最初の問題設定がうまいから、鮮やかに解決できる。勝負は、論点思考の巧拙で決まっているのである(P32)

・上司からいわれたとおりの仕事をやったのに、それを提出するとなぜかあまり評価されなかったという経験があるのではないだろうか。これは論点がずれているせいだ。一方で、上司からいわれたとおりのことをやっていないのに、なぜか上司の満足度が高い、一見要領がいいだけに見える人間が、実は論点をきちんと押さえているものだ(P38)

・問題を解くときに、「一番重要な問題から解く」という方法と「解ける問題から解く」という方法がある。この場合、後者のほうがうまくいく可能性がある。前者を選択すると実行に時間がかかりすぎたり、途中で壁にぶつかったりして、論点の解決にいたらないケースがあるからだ(P95)
・自分の意思で庶民感覚、一個人としての感覚で論点を設定する。例えば自分がモノを売ることを考える前に、ユーザーはどんな人であり、どこで、なぜ、自社の商品を購入しているのかということについて、ユーザーに「なりきって」考えてみる(P134)
・代替案を考えるとき、反対しそうな人の立場になって、自分の案をあえて批判的に見てみる。これは私がよく使う方法だ。反対している人の顔を想像しながら、自分が相手だったら、自分の主張や提案にどういうケチをつけるかと考える。そうすることで代替案が思い浮かぶ(P210)


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