本書は、夢をかなえることのできる「脳の作り方」について紹介しています。
成功本で多いのは、「こうしてうまくいった」という成功者の体験本になりますが、本書は夢実現においてたくさんの人が実践し夢を叶えたという事実に裏付けされているため、非常に説得性があります。
はじめに、夢の見つけ方について紹介しています。
「これは、あなたを変えるための本です。あなたが社長になりたければ、社長になれます。部長でよければ、部長になります。だけど、もっとすごい夢をもってください。すごい夢をもてばもつほど、あなたは大きく変わることができます」(引用)
そして、夢を叶えるためのキーとなるのが「コンフォートゾーン」になります。
「コンフォートゾーン」とは、「快適な空間」という意味で自分が現状のままラクでいられる範囲のことを言います。
例えば、バリバリ働いてたくさん稼ぐ人は、忙しくても苦にならずやりがいを見つけて働くのがコンフォートゾーンに対して、あまり稼げず働くことが嫌いな人は、多忙な仕事は避けお酒を飲んだり趣味を楽しむのがコンフォートゾーンになります。
まずは、この「コンフォートゾーン」をずらして、夢を見つけることについて勧めています。
ただし、夢が何かわからないという方も多いと思います。
そこで、もう一つの概念が「スコトーマ」です。
これは、「目の前のことが見えない」ことを指します。
例えば、普段の仕事でまだ知識不足や経験不足により重要性を理解できていなかったり、
あるいは、ニュースや日々の出来事を通しても自分にとって重要でないと判断し気づけていないという部分になります。
そのため、「コンフォートゾーン」をズラすには、ゴールを1つ作ること、そして期限を設けることを紹介しています。
できれば、見当もつかないような夢を設定する方がコンフォートゾーンをずらせるということです。
この、2点を意識して夢の作り方について学びます。
夢が設定出来たら、自己イメージの上げ方や脳のカラクリについて紹介しています。
特に自己イメージを高める上で重要なのが「アファメーション」です。
「アファメーション」とは、自分自身に対して肯定的な発言をすることです。
最低でも1日2回繰り返し唱えていくこと、また決まった音楽をかけたり、決まった行為をすることでより高い自己イメージを意識することが出来ると伝えています。
そして、もう1つ印象的だったところがあります。
それは、夢が出来て努力している過程において、「最低5つ起こりうる反論を予想し、それに対する反論を用意していくこと」です。
これらの背景には、日本社会ではあまりにも多くのドリームキラーが多く、周りから潰される機会がたくさんあるため、揺るがされない信念を鍛え上げる必要があります。
脳科学について、とても勉強になります。
脳科学など触れていない方は多少難しくとっつきづらい部分もあると思いますので、数回繰り返し読むことをオススメします。
以下、ためになった部分をピックアップします。
・みなさんのかなえたい夢をかなえる方法や、なりたい自分になるための方法は、スコトーマに隠されています。それを見えるようにするためには、コンフォート・ゾーンを今あるところからズラさなければならない P52
・やりたいことをやるのに、がんばっているようじゃいけません。努力しちゃダメなのです。「今日これしなきゃ、明日はあれしなきゃ」という努力の前に、目標に向かって高い自己イメージを持つのが先です。P115
・自分はなぜ、そうなったらうれしい、好ましいと思うのか、その理由を徹底的に書き出す。P151