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社内政治力

仕事をしていると、社内でのやり取りに時間を取られてしまうことはありませんか。
組織は、しがらみがつきものです。
それゆえ、1つの企画をまわすだけでも関係組織との交渉・調整が必要で、多くの時間や手間を要することがあると思います。

本書は、そうした社内の調整でムダなく効率的に進めていく「社内政治」におけるスキルの身につけ方を紹介しています。

私も現在の業務において、半分以上は社内調整を必要とします。
意見が対立し、早く進めたい企画でも中々進まないことがあり、社内調整(社内政治力)は非常に重要なスキルだと感じています。

社内では何を言ったかより、誰が言ったかが重宝され、どんなに理に適ったことを伝えても通用しないことがあります。

そのような背景から、自分が考えた内容をしっかり通してもらうために、社内政治力をつけるのは必要なスキルです。

本書では、社内政治力において以下6つのスキルが備われば、スムーズに進めることができると伝えています。
それぞれポイントを説明します。

①社内調整力
社内では、各組織それぞれの役割があるため、「自然発生コンフリクト(自然的対立)」が必ず発生します。
これは、立場の違いで求められている役割が違うためです。
たとえば、新たな良い商品をお客様のために考える「商品開発部門」と会社のコストを第一優先で考える「経理部門」など、利害対立が発生します。
そのためには、相手側の利害把握・分析をし、必要なキーマンを決め、予め話を進めていく必要があるということです。

②部下掌握力
部下に社内政治力をつけさせるために、指導するものです。
斬新だったのが、部下の考えを重視するのでなく、最初から答えを教えたり手取り足取りやり方を教えたり、いわば軍隊式の教育法が効果があるということです。

③上司懐柔力
パワハラ上司はもってのほかですが、自分と反りの合わない上司がいた場合、仕事が思うように進まないこともあると思います。
本書では、上司のタイプを4タイプに分けて、そのタイプに合わせた調整方法を紹介しています。

④社内人脈力
仕事をスムーズに進めていくためには、協力者の存在が不可欠です。
ここでは、社内で味方にすべき人物を紹介し、人間関係の構築方法を紹介しています。

⑤権力操り力
社内のキーパンに加え、社内の権力者(役員、部長など)を味方につけることも重要です。
味方につけるための方法について紹介しています。
最終的には、権力者のGOが鍵を握ります。

⑥社外人脈力
最後は、社内人脈のみならず社外人脈の必要性についてです。
ビジネスの変化が激しい昨今において、社内情報のみではビジネス競争で太刀打ちは困難です。
そのためには、いかに社外人脈にて有益な情報を持っているかが、社内調整を通す上で必要な要素といえます。

リーダ職として社内業務をメインに行っている方、また社内調整で手間と時間を取られている方は、本書は参考になり活用効果があると思います。

以下、タメになった部分をピックアップします。
・「社内で仕事をすると自然に組織間の利害対立が発生する」(P8)

・働き方改革時代では、部下に「社内政治力」を身につけさせることが重要なのです(P71)

・新しいこと、新しい概念を必要とする仕事では部下は思うように動いてくれないと考えるべきです(P80)

・人は知らない人、あまり面識がない人には好意を持ちにくく、よく知っている人、接触が多い人に好意を持つ習性があり、これは単純接触効果と呼ばれます(P170)

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