2021年読んだおすすめ本 心理・脳科学

よくわかる心理学【実用性高め】

 

 

 

読んだきっかけ

心理学本Monthly5冊目。

「ホンマでっか!?TV」に出演の植木理恵さん。

本書に興味を持ったのは、
心理学の答えだけでなく、その結果に至るまでの「式の立て方」や「学者の考え方」に焦点を当てているところでした。

心理学本でありがちな
〇〇なしぐさをしたら〇〇サイン
〇〇が好きな人は〇〇な性格
〇〇が多くなると〇〇な傾向
というような答えばかりでなく,
結論前のプロセスに主観を置いているということで、より考え方を深めていきたいと思い本書を読みました。

 

本の概要

心理学の体系とプロセスを学べる本です。

大きく心理学には2種類であり、
それは、深層心理学と実験心理学。

深層心理学→精神疾患や心理的問題の実態と遠因を明らかにして 、心理学的手法を用いて解決を図ろうとする心理学。

 

実験心理学→実験的方法によって得られた事実に基づく心理学。

 

いろんな心理学の本がありますが、
究極、この2種類に分かれると
著者は伝えています。

本書は、実用性が強い本です。

そして、効果が高いのが、
研究内容よりも研究手法を見極めて
アウトプットすること。

こうした方が心理学を学んだ上で
生活に活かしやすいです。

心理学を学ぶということは、
最終的には、独力で心理実験を完結できるようになることと等しい。(引用)

 

そういった視点で本書を読むと、
より心理学に興味が湧き、
普段の生活にも役立つことが多いですね。

 

著者

・心理学者、臨床心理士

・日本教育心理学会の最難関「城戸奨励賞」「優秀論文賞」を史上最年少で連続受賞

・「ぷち依存生活のすすめ」「シロクマのことだけは考えるな!―人生が急にオモシロくなる心理術」など複数執筆

・ホンマでっか!?TVに出演

・2020年にYouTubeチャンネル「植木理恵の心理学チャンネル」を開設

 

目次
第1章 心理学とは何か
第2章 「現象」から見える心理学
第3章 「実験」で測る心理学
第4章 「観察」で見抜く心理学
第5章 「理論」を整理する心理学
第6章 「技法」を提示する心理学

 

 

ためになったポイント

本書では、たくさんの心理ケースが紹介されてますが、その中でも個人的にためになったポイント4点を紹介します。

ポイント① 社会的手抜きを防ぐテクニック

人はただ集団になるだけで、意識せずとも「まあいいか」という適当な判断や行動に出てしまう。このことを、心理学では「社会的手抜き」「社会的怠惰」「フリーライダー現象」などと呼び、さまざまな手抜き現象が報告されている。(引用)

 

人は、集団になると手抜き現象が起こります。

職場でも、よく働く人・そこそこ働く人・働かない人と分かれるのではないでしょうか。

ほかには、
重い荷物を数人で運ぶときも、
「あれ誰か手抜いてない?」て思うこともあるかと思います。

この現象をうまく打破するテクニックが、「ターゲッティング」と呼ばれるものである(引用)

 

どうしても,人はサボりがち。

これは、ブログなどにも言えて、

「みなさん副業にチャレンジした方がよいですよ」
「みなさん健康に留意しましょう」

 

など抽象的に書くと、
私関係ない俺関係ないってなりますね。

でも、
「30歳からの〇〇」
「大学生でないと間に合わない」
などとなれば、自分のことと思い
動く動機にも繋がります。

あえて狭いターゲッティングを
設定
することでより、
人を動かしやすくなるのです。

人を動かす必要がある場合は、
ターゲットの「対象物」を設定すると、
動かす動機になると感じます。

人を動かすにはターゲッティングが効果的です。

 

ポイント② 良い目標の立て方

目標を持てばそれに向かって邁進でき、
行動力を駆り立てるきっかけになりますね。

ただし、目標を達成するには
立て方にも留意する必要があります。

「どうすれば望む結果が得られるのか」という結果期待をどんなに強く感じていても、その行動を自分が成し遂げられるのか自信がない場合、つまり効力期待が低い場合には、どんなに素晴らしい結果期待も行動に反映されない。(引用)

 

人の動機には2種類あります。

結果期待→この努力は報われるという期待効力期待→自分にはこの努力はできそうだという期待

 

本書で上げられている
補修プログラムの実験結果から、
現状よりかなり高い目標を上げるより、
低い目標を上げた子供の方が
その後の学力や自己効力感が
大きく向上している
ようです。

高い目標だと、自分はできるのだろうかというつねに自己効力感の低い状態がつきまとい、ネガティブな感情になりやすいようです。

そのため、
目標設定は現状に近い目標から
徐々にレベルアップさせていく方が
効果が高くなります。

より現実感が感じられる目標の方が
良いということですね。

たとえば、
月収20万の人が、月収200万をいきなり目指すのは自己効力感との観点からはよくないということですね。

これは、私も大きな目標立てて頑張っては見たものの中々結果が出ずにバーンアウトした事もあるのでよく分かります。

 

とはいっても、
じゃあ、大きな目標がある場合は、諦めるしかないのかとなりますが、
そんなことはありません。

その目標をもつために、
まずは小さな目標に分割して
少しずつ達成していくことが大切です。

ポイントは、少し前の達成可能な目標を作って一歩ずつというのが重要ですね。

目標設定は、自己効力感が高まりやすいものを選定すべきです。

 

ポイント③ 人の意欲を高める公式

これは、目標を立てて行動していく上でも役に立つ理論だと感じました。

それは、達成志向行動です。
本書で紹介されている2番目の理論が参考になりました。

達成志向行動
(動機×期待×価値)
たとえば、「恋人をつくらなくては」という強い「動機」を持っていて、目の前にとても素敵で「価値」の高い異性がいたとしても、その異性がまったく自分に興味を示さず、しかもすでに恋人がいるということを知れば、主観的な「期待」がゼロになってしまう(引用)

 

この3つをあらかじめ把握しておけば、
目標の可能性度合いも分かり、
効率的に動けやすくなると思いました。

意欲を高めるためには、
動機・期待・価値を考えてみることですね。

 

ポイント④ 気になってしまう!から抜け出す方法

森田が医学部生だったとき、彼はひどい神経症を病んでおり、一日たりとも薬が手放せない生活を送っていた。〈中略〉「自分はいよいよ親からも見捨てられた」と狼狽したという。〈中略〉彼は毎日毎日、勉強だけに全神経を傾けるようになる。〈中略〉ある頃から、肝心の薬を飲み忘れて勉強に打ち込んでいる自分に気づくようになる。これまで「薬を飲まなければ…」ととらわれていた強迫観念が、勉強へのエネルギー転換によってすっかり薄まっており、神経症的な症状も自然と治ってしまった。

 

森田さんは、ご自身の経験から、
神経症で悩む人を救うため森田療法を
確立しました。

これと同じようなケースに

・頭が痛かったけど、仕事で忙しくなりバタバタバタバタしてると、気づいたら頭痛が治ってた。
・人間関係で悩んでいたけど、趣味に没頭していたら気にならなくなった。

 

なども同じことがいえます。

森田療法では、
「とらわれ」と「はからい(不安を消そうとすること)」が精神を不安にさせる元凶であり、それを和らげるのが我執から離れることであると説明しています。

また、個人的な見解ですが、
こういった不安を取り除くためには、
気になることを遠ざけてしまうこともありだと思います。

たとえば、
不要な情報のシャットダウンです。

・悪いニュース
・誘惑の原因になりそうなバラエティやドラマ
・悪口や噂
・必要以上に騒がしい場所

 

こういったことも気になって不安を煽る要因になるのなら、初めから断つということも大事ですね。

常に自分の気持ちが高まることだけに
集中すると、嫌なこと不安から離れ、
心身が研ぎ澄まされるのではないかと思います。

気になってしまうから抜け出すには、
我執から離れるような事に没頭することですね。

 

まとめ

以上私が学んだポイントは、

・人を動かすにはターゲッティング
・目標設定は自己効力感が高まりやすいものを
・意欲を高めるには、動機・期待・価値
・気になってしまうから抜け出すには、我執から離れる

になります。

日常でも意識してみようと思います。

心理学の全体像を学びたい方は、
本書は中身が濃いので勉強になりますね。

 

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