仕事

プロフェッショナル・コンサルティング

コンサルタントという言葉にどのようなイメージを持っていますか。
・成果主義
・多種多様
・給料高い
・頭の回転が早い

どれか1つでも当てはまりましたでしょうか。

本書は、会社経営に携わる戦略コンサルタント2名の対談をもとに、今の戦略コンサルタントに求められる能力についてお話しされています。

昨今、戦略コンサルタントが書いた戦略本やロジカル本が多いですが、実際コンサルタントとして仕事している人は日本で3万人程度、そのうち付加価値ある提案までできる人は300人程度、さらに大企業から相談を受ける人材は30人程度しかいないようです。
結果をシビアに求められるコンサル業務は、いかにプロ意識が求められるかがうかがえます。

著者の波頭さんは、マッキンゼー・アンド・カンパニー、冨山さんはボストンコンサルティンググループでコンサル業務を通じて大きな実績を上げている方々です。

そんなお二人の対談から、私が参考になったポイントをお伝えします。
ロジカルシンキング能力
コンサルタントの基礎スキルの絶対条件として、ロジカルシンキング能力があげられます。
これは、コンサルタントだけに限らず、一流のビジネスパーソンにも求められるスキルになります。
相手に理解してもらうには、必ずこのスキルが必要です。
仕事の会話中、会議の最中など瞬時に頭の中でロジックを組み立てていく必要があり、そのためには日常の訓練が必須であると伝えています。

圧倒的な勉強量
特に若いうちは、勉強して知識をつけば、基礎体力が早くつき、頭もどんどん良くなると説明しています。
若い時からの勉強ほど有利なことはないということです。
本書では、3ヶ月に1つ、年4つマスター(修士号)を取るくらいの気持ちで臨んでほしいと伝えています。
私の実感として、若い時から勉強する癖をつければ、その後何か新しいことを覚える時など、基礎知識・体力が出来上がっているため、入り込みやすいと感じてます。

ロジカルコミュニケーション
ロジカルシンキングとロジカルコミュニケーションでは、能力が違うということです。
ロジカルシンキングは、正しい推論を作ることに対し、
ロジカルコミュニケーションは、その推論を理解できるように説明できるスキルになります。
その説明方法には2通りあります。
1つめは、正確にロジックを展開して伝える方法
2つめは、聞き手の知識や思考の性質に合わせて伝える方法

いずれも、相手が納得しなければ、せっかくのロジックが台無しになりかねないので、伝えるスキルも大切になります。

情理も大切
ロジックだけでなく、感情的な面も大事です。
最後に決め手となるのは、お客様に理解してもらうために何度も諦めずアタックできるかという執着心が成功するための最大のファクターになります。
そこには、当事者意識を持ち相手の懐をしっかり押さえれるかの人間力が必要になりますが、そのためにも机上ばかりでなく、実際にお客様と向き合う勇気が必要になります。

以上参考になったポイントをふまえると、
プロのコンサルタントで成功するには、知識やスキルを補うための勉強と相手に理解してもらうための人間力を高めていく必要があると感じました。

本書は、若手コンサルタント向けに書かれていますが、プロ意識を持って仕事をしていきたい会社員にとってもオススメです。

個人的には、コンサル業務での視点や発想について知る上で、第5章が非常に勉強になりました。

以下、タメになった部分をピックアップします。
・自分の歴史観を持ち、自分が当事者だったらどうかを考える(P102)

・現場でいろんな人の話を聞くのを、しんどいと思わず、面白いと思えるかどうか。そして、1つの答えに向かって、必要なことを1つひとつ整合させながら1人で統括的にまとめ上げる(P116)

・論理、情理含めてロジカルに考える際に、やっぱり大事なのはファクトに立脚すること。分析や思考の材料となる客観的な事実をいかに集められるかがスタート。きちんとファクトを集めた上で、ロジックで考えていく。(P206)

・若い人の優位性は、より一次情報に近い、生々しい現場の情報にアクセスしていること。それがアドバンテージなんです。ということは、そこに骨惜しみしないで、自分なりに情報データを集めて、自分なりにその背景とかを掘り下げるべきでしょう。(P224)

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