「会社で自分のやりたいことができない。そんなとき、あなたならどうします?辞めて転職する。あるいは起業する。そうした選択肢もあるでしょう。でも僕は会社を辞めませんでした。会社を使い倒す。それが僕の選択肢でした。」(引用)
若い頃は隣の芝生が青く見えて、「いつかは転職…いつかは転職…」と考えあぐねていた時期がありました。
私の場合は、3年くらいのスパンで部署異動したので、都度新しい仕事を覚えモチベーションを維持することができたせいもあって、現在に至ってますが、入社して間も頃は転職を視野に考えている人も多いのではないかと思います。
キャリアアップでの転職は大いに大歓迎ですし、現在の職場環境があまりにもひどく健康に影響を及ぼす場合は転職する必要があると思います。
ただし、辞める決断の中には、もっとやりたいことを実現したいというような理由で転職したけど、
以前よりも給料が下がった、転職先でもやりたいことができず結果的に以前の方が良かったなど後悔することになる場合もあるでしょう。
そうならないために、まずは今いる会社のリソースを最大限活用して頑張ってみることが先ではないかと考えます。
したいことやりたいことが今の会社でほんとに出来ないのか、
その前に今いる会社で出来ること学べることをしっかり行ってから、転職を考えてもよいのではないかということが大切です。
本書では、著者が博報堂に入社して、
プロダクト・イノベーション・チーム「monomo」を立ち上げたり、社外にてデザインスタジオ「YOY」を結成するなど、
商品やデザイン開発において成功に至った、これまでの背景や会社で働くことのメリットについて紹介しています。
とくに私が勉強になったのは、
「非常識を恐れない」
というところでした。
従来の常識は今では非常識になっています。
私が感じているここ最近のビジネスを振り返っても、
・デジタル化
以前は紙が当然であった
・ワークライフバランスの推進
以前はサラリーンは猛烈に働き成果を上げるのが当然であった
・同一労働同一賃による学歴撤廃
以前は大卒であれば給料が高かった
・AIの進化
以前は地道な作業も人間が時間をかけて作っていた
今でも残っているものはありますが、常識は未来永劫ではないのだなと。
また、「コロナ」という誰もが予期できないパンデミックな事態によって、これまでのオフィスワーク→在宅ワークへと一気に常識が変わることもあり得ます。
まとめると、
非常識に思われることを恐がって、何も動かないでいるより、常識なんて変わるものだと思ってやりたいことを思い切ってやったほうが自分のためになるということです。
私も仕事では、思い切って突拍子もない質問をすることがあります。
周りは「なんでそんなこと聞くの?」とか「そんなの常識でしょ」なんて言われることもあります。(そう言われることも想定して質問していますが)
でも、後から振り返ると、その質問が実は核心だったりして、結果的に自分の言った非常識(周りにそう思われている)発言の方が正しかったなんてことがしばしばあります。
なので、大勢が常識と思っているので自分がおかしいなと感じたところも勇気出して発言してみることも大事なことかなと思います。
このようなことは、誰でもちょっとの勇気で出来ることなので、おすすめですね。
「やりたいことが出来ないから転職する」
「ずっとこの仕事でも先が見えないから転職する」
ただし、ほんとに会社のリソースを十分活用してできることをやり尽くしたか一度吟味する必要があるのではないかと思います。
転職を考えている方、会社で高い業績を上げたい方などは本書はおすすめです。
以下、タメになった部分をピックアップします。
・まわりがどう感じようが、問われるのは自分自身です。自分が心地よくない、こうしたい、と思うのであれば、動いてみればいいのです。(P66)
・僕は、仕事はやりたいことを実現するための手段だと思っています。
仕事自体が目的になったり、食べるために働くという考えはまったくありませんでした。それこそ食べるだけなら、どうにでもなると思うのです。(P89)
・もし仕事でなにか気持ち悪さを感じていたり、やりたいことが仕事で実現できないと感じたり、やりたいことが会社にないと思ったりするのであれば、なにかアクションを起こしてみるべきだと思います(P94)
・「これがやりたい」ということができたとき、何よりもやらないといけないことは、それができるための環境づくりをすることです。
(P160)
・誰よりも考えること、それが基本になる。何が必要なんだろう、世の中の課題はなんだろう、生活者は何を求めているのだろう、と考える続ける。(P185)