2021年読んだおすすめ本 マーケティング

プロセスエコノミー【プロセス自体を売る時代】

今月の読書月間

今月の読書を発表します。
テーマは「マーケティング」です。

マーケティングといっても、
SEOのマーケティングもあれば、
SNSのマーケティングもあるし、
企業戦略としてのマーケティングもあり、
幅が広いですが、
今回は、SNSやブログなどデジタルマーケティングで役に立ちそうなおすすめの本を紹介していきます。

 

 

本の概要

簡単に言うと、
これからの時代、新しい稼ぎ方は、
プロセス自体を売るということ。

昔はいかに良い物を作って売る
ということが重要視されていましたが、
今は、物自体(アウトプット)の性能は
すぐにコモデティ化され、
どれも似たり寄ったりの製品になると、
淘汰しやすいです。

そこで、求められるのが
本書の「プロセスエコノミー

完成した形では、
なかなか差をつけるのが難しい時代においては、プロセスが鍵を握ります。

たとえば、

・メジャーデビューを目指すバンドマンの生活
・難関資格合格を目標にする大学生の勉強日記
・壮大な映画を作ろうとする素人の活動

 

こんなイメージでしょうか。

世の中のニーズは、アウトプットだけでなく、アウトプットに至るプロセスが求めらているということです。

そこで大事なのは、
ファンを作ること。

本書では、プロセスエコノミー時代におけるファンの作り方、ブランディングの立て方が紹介されています。

キーワードは、「Why」

何を出すかではなく、
なぜやるのか、自分の考えはどんなものか、こだわりは何か、そこにかける想いは何かなど、表現する必要があります。

ゴールから逆算してステップアップしていく生き方ではなく、日々歩いていること自体に喜びを感じ、瞬間瞬間のひらめきに従って柔軟に対応していく生き方。
変化の早い時代にはこちらのほうが合っているかもしれません。(引用)

 

目次
第1章 なぜプロセスに価値が出るのか
第2章 人がプロセスに共感するメカニズム
第3章 プロセスエコノミーをいかに実装するか
第4章 プロセスエコノミーの実践方法
第5章 プロセスエコノミーの実例集
第6章 プロセスエコノミーの弊害
第7章 プロセスエコノミーは私たちをどう変えるか

 

 

著者

・フューチャリスト、藤原投資顧問

・Fringe81執行役員や経産省対外通商政策委員、産業総合研究所人工知能センターのアドバイザー

・マッキンゼーアンドカンパニー、NTTドコモのiモード立ち上げ、リクルート、Googleなど複数の企業に従事。

・「ITビジネスの原理」「ザ・プラットフォーム」など、複数執筆

 

本書を読んで得られる効果

・最新のマーケティングニーズが分かる

・アウトプットに加え、プロセスに価値を見出す方法について把握できる

・プロセスエコノミーの未来予想図が分かる

 

ためになったポイント

ポイント① 個人の消費行動に注目

物質的なモノより内面的なコト。(中略)
自分のアイデンティティを支えてくれる、自分の所属欲求まで満たしてくれることをブランドに求め始めているのです。(引用)

 

現在は、役に立つより、意味があることが重視されています。

なぜなら、役に立つというニーズは、すでに一定数を超え、お客様はその先にある経験を求めるようになっているからです。

 

マーケティングの観点から見ても、

マーケティング1.0→製品中心
マーケティング2.0→顧客志向
マーケティング3.0→価値主導
マーケティング4.0→経験価値
(引用)

 

時代の変遷とともに、
現在は経験が必要とされています。

そこには、もう1つの理由があります。

それは、アウトプットとしての物が限りなく無料になっているからです。

例えば

・以前は本や雑誌などを購入して入手した情報も今やネットを通じて数多く収集することが可能。

・お金を払って入るコミュニティも、SNSを通じて容易に参加が可能。

・カメラを買わなくても、スマートフォンで性能の良い写真を撮ることが可能。

 

このように、アウトプットの売買は終わりに近づき、いかにプロセスに価値を見出していくかが問われます。

個人としても、
何を売っているかというより、
何をしているか、なぜしているのかに着目する必要がありますね。

 

ポイント② 共感するプロセスの作り方

作り方の要素は以下です。

「Me We Now 理論」
自分の話をして距離を縮める(Me)
共通点を見いだして連帯感を作る(We)
自分のやりたいことを説明する(Now)
(引用)

 

これは、堀江貴文さんが「ゼロ」という本を執筆した際に、オバマの演説を参考にしたそうです。

プロセスを共有して、一緒に何かをやり遂げたいという発し方が、共感を生み、ファンを増やすきっかけとなります。

「ゼロ」は、40万部を超えるベストセラーなったようです。

こういったプロセスを開示して、
応援してくれるファンや味方が出てくれば、
自分から商品やサービスを売らなくても、
仲間たちが次から次へと伝播し、拡散してくれる
効果があるということです。

そう考えると、
YouTubeを見てても「何」を売りにしているコンテンツはその道の第一人者であれば参考になりますが、それ以外だと見ませんね。
それよりも、「プロセス自体」を売りにしているコンテンツは幅広く興味を持って見ることが多いなって感じます。

 

ポイント③ 自分自身のモノサシを持つ

プロセスエコノミーも良いことばかりでなく、デメリットもあります。

それは、手軽にプロセス開示ができる反面、
1度注目され有名になると、後戻りがしづらい。さらに、本来の目的からずれてしまった場合の軌道修正がしずらいという点です。

たとえば、
注目を浴びるのが得意でたくさんのファンを集めた場合、また次は壮大な目標を上げようと躍起になります。
そうなると、本来やりたかった事と逆行し、ファン作りに熱狂してしまう懸念もあるということです。

短期的にみると良いですが、長期的にみると、自分の目標とかけ離れてしまうため、結果としてはあまり良くないでしょう。

そうならないためにも、
調整レバーをしっかり持つこと。

要するに、自分自身のモノサシ
しっかり持って進めていく必要があります。

自分を見失わないためには、
「Why」に立ち戻り、何のためにやるのか、1番の理念は何か、こだわりは何か、思いは何かなどを振り返り続けることが大事ですね。

 

まとめ

以上、本書で学んだポイントは、

・個人の消費行動は、「役に立つ」より「意味がある」に重要視されること

・共感するプロセス作りは、「Me We Now 理論」

・自分を見失わないためにモノサシを持つ

 

今後、ブログやSNSにおいては、
プロセス価値にも少し意識して作業を進めてみます。

より時代は、モノ(アウトプット)よりプロセス(共感・共創)に重きが置かれるかなと感じました。

最近のマーケティングを学びたい方、本書おすすめです。

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